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■生田川の植物相
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1.市街地から概観した樹林景観
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(写真1)「生田川」と「お川」の合流点
諏訪山断層に沿った新神戸駅裏山。布引・位置が原へのハイキングコースの入り口付近。2004.3.14. |
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昔、新神戸駅のある場所には布引中学校があった。
(左:写真2)布引中学校の円形校舎、(右:写真3)布引中学校の背後にある山。 |
写真1の左手前の建物あたりに、1960年代、布引中学校の円形校舎(写真2)があり、その裏山にはマツがたくさん残っていた(写真3)。
現在マツは極めてまれにしか残っておらず、尾根部はそれに代わって、、アベマキ、コナラなどが高木層をなす。山麓や川沿いにはムクノキ、エノキ、アキニレなどの落葉広葉樹の高木がよく見られ、クマノミズキ、ノグルミ、ハゼノキ、ヤマザクラも混じる。さらに、植栽されたオオバヤシャブシやニセアカシヤもある。
尾根と谷斜面の落葉高木らで、今、灰色に見えているほかは、植えられたクスノキをまじえたアラカシの優勢な常緑広葉樹からなる照葉樹林へと様がわりした。少し黄緑色がかった緑色の樹冠はクスノキであり、他の暗緑色部は、ほとんどがアラカシの高木である。
これらの高木に混じって、カゴノキ(クスノキ科の高木)がよく出現し、ナナミノキ、クロガネモチ、ヒメユズリハなどの常緑樹が見られる。以上の樹下には、ネズミモチ、ナワシログミが多く、次代を継ぐアラカシはもちろん、カナメモチ、ツバキ、ヒサカキ、モチツツらが出現する。こうした照葉樹林は、アラカシ−カゴノキ群落(中西)としてまとめられる。
2.新神戸駅裏山の林
アオキ、ヤツデ、マンリョウなどの低木の常緑樹は少な目である。 |

上:(写真4)新神戸駅の裏側。 |
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右:(写真5)新神戸駅裏側の樹林内 |
新神戸駅ホームのすぐそばは、布引山(砂子山:いさごやま)の山足が、その下は「お川」の流れがあり、すぐのち、生田川と合流する。写真4には写っていないが、手前の石垣にはオニヤブソテツ、ツワブキなど、海岸性の植物が見られる。葉を落とした木立は、ムクノキの高木で、六甲山地の人里近くでよく見られる落葉高木である。
現在見られる緑は、アラカシ、ツバキ、ネズミモチ、そしてテイカカズラなどである。手前の灰色部はフジ、ノブドウ、キカラスウリなどのつる植物である。林縁部のこうした植物は、樹林内部環境を守る大切な役目がある。
新神戸駅の裏山の林内へ入ってみよう(写真5)。
けわしい谷斜面には、アラカシをはじめ、カゴノキ(樹肌に鹿の子もようがある)も多く、乾燥に耐えるナナミノキ(モチノキ科)も立つ。また、写真5手前のように、沿岸性の照葉樹ヒメユズリハの高木も出現する。いずれも、六甲山地の低山地の南面の植生を特徴づけるものとなっている。計測例を以下に示す。
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| 樹種 |
樹高(m) |
胸高周(cm) |
| アラカシ |
12 |
160 |
| カゴノキ |
12 |
121 |
| ヒメユズリハ |
10 |
135 |
| ナナミノキ |
15 |
129 |
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上:(写真7)アオキ、ヤツデ、マンリョウなどの低木の常緑樹は少な目である。 |
| 左:(写真6)新神戸駅裏山。六甲山地の南麓部に多く見られるアラカシの森の内部。 |
写真6の中央にでんと構えているのが樹高12m、胸高周160cm、推定樹齢80年のアラカシ。樹下に特徴的によく出現するのは、アラカシはもちろん、ネズミモチ、ナワシログミ、カナメモチ、シャシャンボ、モチツツジなどであり、林床にヤブラン、ナガバジャノヒゲ、ナキリスゲ、コウヤボウキ、ベニシダを生じる。
写真5の場所はアベマキが多いが、樹下、林床はネザサが優占していた。何らかの人為のあとが見られる。枝にまといついているのはテイカカズラである。最近このつるを意図的に伐っているあとが見られる。
3.新神戸駅裏山尾根部の樹林相
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| (写真8)布引の滝付近の急崖地。 |
(写真9)鼓滝(つつみたき)の西。アラカシの樹林下のシダ類。 |
1960年代までは、アカマツ、クロマツ、アイグロマツがよく残っていたが、現在はアベマキ、クヌギ、コナラなどのブナ科の落葉広葉樹の高木が優勢である。この地域一般には、やはり、樹下に、アラカシやネズミモチらの常緑樹が育ちつつある。
写真8の崖の傾きは70度近くもあろうか。布引花こう閃緑岩にくい込んで根を張り、緑を形成するのは主としてアラカシである。木本ではほかに、キハギ、ウツギなども少数だが根付く。
写真9では、ホソバカナワラビが群生し、暖地における照葉樹林の代表的な林床植生を構成している。左下の緑の広がりはマメヅタである。少し湿気た林床では、シャガの群生したのがこのすぐ近くで見られる。
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