神戸の裏山の谷筋には必ずといっていいくらい生えている。谷筋でも、谷の上り口付近の岩場である。そこは日当たりはよいが、適当な湿度もあり、このシダの自生地としての好環境なのであろう。
ヒトツバの別名として、イシノカワ・イシガシワ・イワグミがある。これらの名がみな岩や石と結びついているのもうなずけることである。
ヒトツバの根茎ほ、長くのびてはうが、太くてかたく、赤味を帯びた褐色の鱗片をいっぱいつけている。単葉の葉は間かくをおいて出る。高さ30−50cmである。葉柄も太く、針金状でかたく、基部の関節で根茎とつながっている。したがって、ヒトツバの葉は古くなると関節のところではずれるが関節より下はいつまでも残る。
このようにウラボシ科のシダでは離層の細胞がよく発達するが、一般のシダでは発達しないので、古くなった葉はくさるまでついている。
ヒトツバの葉面は革質で厚く、皮針形ないし長楕円形で全縁である。葉の表裏に無数の毛があり、うろこをかぶったようになっているが、この毛はシダとしては珍しい星状毛である。
葉脈は、はっきりと見えないが網状脈である。
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