神戸の自然シリーズ3 神戸のシダ
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 2.葉柄の維管束


 根から吸収された水が葉に運ばれる。葉でつくられた同化産物は根・茎などに運ばれる。その通り道はどこなのか。それが子どものころ遊んだ草花の茎や葉柄の筋、すなわち、維管束である。

 シダ植物ははっきりした維管束を持つようになった最初の陸上植物である。このことは、現在のシダ植物、裸子植物の祖先の一つの植物ではないかと考えられているリニア類の茎をみると、数本の仮道管からなる維管束があることが調べられてわかっている。

 葉面における水分・養分の通り道は葉脈である。葉柄中軸には葉脈につながる維管束がある。葉柄維管束は、茎の維管束が枝分かれしたものである。イヌワラビの葉をはずすと2本の筋が見られたり、ゼンマイの葉を取るとき飛び出てくるのは葉柄中軸維管束である。一番、目で見ても調べやすい維管束である。

 シダの維管束を観察していくと、形や並び方はシダの種類群で一定しており、種類群内での差異も少なく、安定した形質であることがわかる。したがってシダの維管束はシダ分類の大切な指標となるのである。

 いくつかのシダの葉柄中軸維管束をあげておこう。

葉柄中軸維管束
■C型のもの(1この維管束を持つ)−ゼンマイ群−
■U型のもの(2この維管束を持つ −メシダ・ヒメシダ群−
フモトシダ(葉柄中部) ゼンマイの維管束
この群は,葉柄基部で維管束が対になり独立しているが,中部から上部にかけて結合してU型になる.

タチシノブ(中軸

タチシノブ(葉柄基部)

■U字変形のもの
イワヒメワラビ(葉柄上部)

左を拡大したもの

■]型のもの(2この維管束をもつ)
       −チャセンシダ群−

 葉柄基部では対になり独立しているが上部では結合して]型になる.
右:トキワトラノオ
葉柄基部)

■逆コンマ型(数こ、またはそれ以上の維管束を持つ)−オシダ・ナナバケシダ群−
オオベニシダ(葉柄上部) オオベニシダ(葉柄上部)
この群は葉隙のあたりに数本の葉跡が出る.横断面を見ると向軸側に2本の太い維管束がある.木部は逆コンマ型になり,おもに仮道管からなる.上部にいくにつれて細い維管束は互いに結合して数は減るが2本の太い維管束は結合せず,そのままである。


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