神戸の自然シリーズ16 神戸層群の化石を掘る
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貝と水生植物の化石

▲海の巻き貝の化石


▲海の巻き貝の化石


▲水生植物の化石


▲海の二枚貝の化石


▲淡水の二枚貝の化石、
ササノハガイに似ている


▲淡水の二枚貝の化石、
ドブガイに似ている。



▲発見場所
北区北五葉
の柱状図


▲直径が30cmもある大きなハスの葉の化石。
中心から出ている脈は18本と22本である


ハス

 ハスの葉の化石の直径は30cmもあり、2〜3枚の葉が重なって化石になっています。

 この大きな化石を発見した時、私は中学生でした。中学生の私にとって、この超大型の化石の発見は非常に大きな感動を覚えたのを記憶しています。そのとき、一瞬、息がつまり、次の瞬間大きく動悸が打ちはじめました。大きく、重い化石を、友達や家族の手を借りて、やっとのおもいで家まで運んだことを今でもはっきりと覚えています。そして、これからもどんどん化石を集めようとファイトが出てきたのも確かにこの時期でした。

 発見の喜びは、発見した者にしか分からないかも知れませんが、それまで採集した化石への愛着が芽生えはしめたのも、この化石のおかげかもしれません。

 ハスといえば、流水の池や沼に生える水生植物で地下茎は泥の中をはい、それが太ってレンコンができます。葉は根から生え、長い葉柄がのびて葉を水面上に出しています。ハスはあまり深くない池や沼などによく生えていますから、この化石がとれたあたりもそんな所だったのでしょう。日本では、よく栽培されていますが、中国、インド、オーストラリアなどの暖帯から熱帯にわたって分布しています。

(スイレン科 ハス属 Nelumbo Adams.)

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