神戸の自然シリーズ21 六甲山はどうしてできたか
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3.山頂平坦面と六甲の原自然

摩耶山上の公園からみた六甲山

 摩耶山から六甲最高峰にいたる全山縦走コースは平坦そのもので、ここまでに強烈なX字谷越えをいくつもこなしてきた苦労からすれば、うそのように楽な山歩きでピクニック気分で歩ける。

 およそ100万年前から上昇を始めた六甲山は、山麓には大規模な衝上断層が生まれ、南北に流れていた川は深いX字形の先行河川となった。これから歩く山頂平坦面は、六甲変動の完成品ともいえるもので、隆起前の平らな丘陵の原型をさほど壊さずに持ち上げてきたもので隆起準平原ともいう。

 この山頂平坦面のコースの中ほどにある極楽茶屋から東へは、六甲ほんらいの植物相の残るところであり、原自然のもつ美しさをこの機会に紹介したい。



大阪湾上空からみた六甲とそのスケッチ

小起状のみられる山頂平坦面

 これから始まる山頂平坦面(隆起準平原面)を歩くコースを空から案内しよう。大阪湾上からの遠望では、わずかにとがる最高点の高まりから西へナイフで削ったような直線的な稜線がつづいている。これをもっと近づいて灘区の上空からみると(右ページ上)、直線的にみえた稜線にも小さな丘のような起伏のあることがわかる。それらの小起伏面を巧みに利用して各種リゾート施設をつくっているのが、現在の六甲山上の景観である。


灘区上空からみた六甲山地、中央正面は神戸大学。

ゴルフ場をはじめ山上には各種のリゾート施設が多い。

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