神戸の自然シリーズ21 六甲山はどうしてできたか
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烏原水源池上空からみた六甲山地。

東が高く、西に低い傾動地塊

 この山項平坦面がどのようにしてできたのかと質問すれば、すでに天王川や生田川の先行河川の心臓破りのアップ・タウンを体験し、鍋蓋山の礫層をみてきた方なら、「それは六甲の隆起によって、かつての丘陵が持ち上げられてきたからだ」と即座に答えるに違いない。

 ここでは、さらに一歩進めて六甲山地全体がどのような隆起をしたか、それをみてみたい。われわれの出発点の摩耶山上公園はほぼ700mの高さであるが、直線距離で約7km東にある六甲山頂は931mの高さをもつ。六甲全山縦走コースでは11.7km歩いて、わずかに200m高くなるだけである。こんな平坦さは坂の多い神戸市街にはみられない。

 摩耶山の北にある六甲山牧場から西へ、この平坦面の続きは小部峠(400m)まで続く。

 六甲山地はこのように東が高く、西に低く(東の隆起量が大きい)なるような傾きをもつて動いてきた傾動地塊である。西から六甲に向うときはピクニック気分で歩けるが、正面の南斜面から登るときは全身に汗する本格登山となる。山好きの神戸市民は傾動地塊を身をもって楽しんでいることになる。


ドライブウエーからみえる六甲山頂

六甲山頂の無線中絶所

いくつものヘアーピンカーブをこなして登る表六甲ドライブウェー

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