9.地形をみると地質がわかる
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このような時代と性質の違う地層や岩石がどこにあるかを地図であらわしたのが地質図です。いろんなところに複雑にいろんな地層や岩石が分布しているようですがよくみるとそうではありません。
下の図11は接峰面図(せっぽうめんず)という地形のおよそのようすを細かいところを消して書いたものです。この図と地質図(図10)をみくらべてみましょう。
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図10 神戸周辺地域の地質概略図 ▲
1/20万地質図「姫路」、1/20万地質図「京都及び大阪」、1/17万兵庫県地質鉱産図、1/5万図幅「大阪西南部」・「大阪西北部」などを参考にして、一部改変し、編集した
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| 図11六甲山地周辺の接峰面図(Huzita et al, 1971) ▲ |
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神戸には市街地の背後に北東から南西につらなる六甲山地とその北に東西につらなる丹生山地の二つの山地があります。
六甲山地は一番高いところが931mで東のはしにあり、西にいくにしたがってだんだん低くなって鉢伏山(253m)まで十数個の山のつらなりですが、ほとんどが花こう岩からできています。一方、丹生山地は最高596mで400m前後の山がいくつかならんだ山地で、おもに有馬層群からできています。
丹波層群はこの二つの山地にへばりつくように分布しています。すなわち神戸の山地は古い地層・岩石からできているわけです。
六甲山地の西は200〜300mぐらいの高さの丘陵地で須磨ニュータウン、鈴蘭台など、の新しい住宅地になっています。丹生山地の北がわの北神ニュータウンから淡河(おうご)、大沢(おおぞう)にかけての地域も同じような丘陵地になっています。これらの丘陵地には神戸層群が分布しています。
六甲山地と丹生山地にはさまれた花山、大池など有馬街道にそう地域にもせまい丘陵地がありますが神戸層群が分布しています。
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図12 地形と地質の関係
山地には古い地層、岩石が、丘陵には神戸層群、台地には大阪層群と段丘層、低地には沖積層がある
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六甲山地の南がわと垂水区、西区はおなじ丘陵といっても高さが150mよりも低い地域です。垂水区の本多聞(ほんたもん)や神陵台(しんりょうだい)、西区の神出(かんで)、岩岡などはなだらかな平坦な土地(台地)です。このような場所は大阪層群と段丘層からできています。
そして高さ10m以下の低地と河川に沿うところは沖積層でできています。
まとめてみると山地には中生代より古い地層・岩石があり、高い丘陵には神戸層群、低い丘陵・台地には大阪層群と段丘層、一番低い低地には沖積層があるということがわかります。
人間が一番生活しやすいのは低地や台地(段丘)です。神戸で早く開けた兵庫区や中央区はそのような土地です。人が多くなるにつれて垂水や舞子のような台地が開発され、つぎは西区や北須磨、北鈴蘭台などの丘陵を切り開いて宅地が進出してきました。人の住む場所はどんどん時代をさかのぼっているといえるかもしれません。
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