神戸の自然シリーズ17 神戸の地層を読む2
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8.地層のかたさで時代がわかる

 いままで説明してきた地層はそれぞれできてからの年代が10倍ずつも違うため、地層のかたさがまるで違っています。

 丹波層群、有馬層群は完全に固まっていた硬い岩石になっています。ハンマーでたたくとカーンカーンという音がするのがふつうです。この地層からできている山をくずすためには、ブルドーザーでもまにあいません。ダイナマイトで爆破しなければならないくらいのかたさの地層です。

 もっとも、地層が地表にでてから長い年月がたっている場合は表面が風化してもろくなっていることがあります。

 神戸層群はかなりかたく固まったものから少し固まったものまであります。白っぼい色の凝灰岩(ぎょうかいがん)や砂岩はかたくハンマーをはねかえす場合があります。レキ岩や砂岩は比較的やわらかなことが多いのですがスコップで簡単に掘りくずせないのはつぎの大阪層群とずいぶん違うところです。

 大阪層群と段丘層はまだかたまっていない地層です。大阪層群でも古い時代の粘土層はややしまった地層ですがハンマーで容易に掘ることができます。

 沖積層は現在できつつある地層ですから全くかたまっておらず、やわらかい地層です。


地質時代と地層の呼び方

 地質時代は、大きく先カンアリア代、古生代、中生代、新生代に区分されています。一般的な言い方としては古生代、中生代、新生代の地層を古生界、中生界、新生界と呼びます。それぞれ「代」は、いくつかの「紀」に分けられます。

 古生代石炭紀・二畳紀、中生代三畳紀・ジュラ紀・白亜紀、新生代第三紀・第四紀などです。

 白亜紀にできた地層を白亜系、第三紀、第四紀の地層を第三系、第四系と呼びます。

 「紀」はさらに「世」に分けられます。第三紀中新世・鮮新世、第四紀更新世・完新世などです。

 更新世にできた地層は、更新統、中新世にできた地層は中新統と呼びます。

 「世」は前期、中期、後期などに区分されることがあります。

 前期更新世の地層は、下部更新統とよび、中期更新世、後期更新世は、中部更新統、上部更新統となります。

区 分 地 質 時 代  (例) 地層の呼び方(例)
大区分

小区分
代(だい) (新生代、中生代) 界(かい) (新生界、中生界)
紀(き)  (第四紀、白亜紀) 系(けい) (第四系、白亜系)
世(せい) (更新世、中新世) 統(とう) (更新統、中新統)
前期、 中期、 後期 下部、 中部、 上部

地層をつくる堆積物の区分

 地層はいろいろな堆積物からできています。地層というのは、ある広がりをもった堆積物のあつまりのことで、堆積物は広がりを考えずにとらえた「物質」のことです。

 本は印刷された紙でできてています。「本というのはある内容をもった印刷された紙のあっまりである」というような関係の言葉として地層と堆積物はたとえることができます。

 堆積物は、岩石が風化され、破片となったものが水の流れや風によって運ばれ堆積した砕屑性(さいせつせい)堆積物と、火山活動に伴って放出された破片が堆積した火山砕屑物があります

 砕屑性堆積物は、大きさによって礫(れき)、砂、シルト、粘土にわけられます。堆積物が固結したものを堆積岩といいます。

それぞれの堆積物を図で表す時は、右のようなもようであらわします。
この本では特にことわらない限り、このようにあらわしています。

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