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5.段丘の時代から現在までの神戸
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太山寺の照葉樹林
たびたびの変遷をへて、現在の神戸の森林はこのような姿になった
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今から12万年前、現在に一番近い氷期である最終氷期が始まる前に地球はかなり暖かな間氷期をむかえました。その時に海域となったり、海岸平野であったのが西八木面と呼ばれる中位段丘面です。その海域は現在の海岸線にほぼ平行に1〜3km入ったところまでおよんでいました。
この時代の神戸には常緑の照葉樹林に近い森林があり、ナウマンゾウがすんでいました。気候は現在の神戸とよく似た温帯的なものでした。
その後、地球は最終氷期にむかうことになります。10万年前から3万年前までの間には、スギやコウヤマキを中心にした針葉樹の森林の時期からマツ、モミ、ツガなどの森林の時期を経て、コナラ、カバノキ、ハンノキなどの広葉樹の多い森林へと移り変わる変遷をしていきます。
この氷期の最も寒冷な時期は2万年前でその時には、海面が100mも下がり、播磨灘はもちろん大阪湾のほとんどは陸地になってしまいました。
その頃、六甲山地から大阪湾に流れ落ちる河川は、大量の土砂を現在の市街地に運びだして各所に扇状地を作りました。1万年前から気温は急速に上昇して6000年前には海面は現在より4mほど高くまできました。市街地ではほぼJRの線路のあたりまで海でおおわれ、垂水の福田川や明石川にそって海は入りこんできました。この海進は縄文海進(じょうもんかいしん)とよばれています。
その後、この海は退いて現在の海になっていくことになります。
そして今、神戸は140万人の人々が大都市としてはめずらしく、海と山の自然にめぐまれた環境の中で生活しています。
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