新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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54.キイロヤマトンボ Macromia daimoji
写真2-68.キイロヤマトンボ.三田市.1997.6.7. オスの静止.(新村捷介氏撮影).


分布:神戸では,私の知る限り,2頭しか採集記録がありません.いずれも北区道場町で,一つは千刈り水源地へ通じる道路,もう一つは船坂川です(山本哲央氏私信).

生態:兵庫県下の産地での観察によると,水量の多い,きれいな水の流れる河川の,たっぷりとたい積した砂底に幼虫が生息しています.成虫もそのようなところに好んで集まってきます.コヤマトンボより少しおくれて6月に入ってから羽化しているようですが,盛夏にはほとんどすがたがみられなくなります.オスは広い範囲を飛んでメスをさがしているようで,川の中央付近を低くスーッと飛びさり,しばらくするとまたもどってくるような飛び方をします.産卵は,砂が堆積している流れのゆるやかな川面にメスが舞い降りてきて,ジグザグに速く飛んだり,八の字を描くような飛び方をしたり,またせわしなく往復したりして打水産卵し,終わると一気に飛びさってしまいます.砂が豊かにたい積するという河川環境が失われつつあり,兵庫県下でも出石川,猪名川,加古川とその支流,武庫川で見つけられているだけです.人工的な堰によって底に砂がたまったところにすみついています.

形態:腹長52〜61mm.コヤマトンボとは,腹部第3節側面の黄色の斑紋が上下で断ち切れていることで区別できます(写真2-70).

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