神戸の自然シリーズ9 神戸の野草
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(有野)
68.ヒガンバナ

ヒガンバナ科
8〜9月


 田のあぜや堤などでよく見かける草で、燃えるような赤い美しい花を、5〜7個輪状に咲かせる。花被(花びらとがくを含める)は6枚ある。そのうち外側の3枚は花びらのようになったがく(外花被)で、内側の3枚は本当の花びら(内花被)である。子房は緑色で花の下の方にあるが三倍体で減数分裂のさい、染色体異常を起こして、花粉が受精能力を失っているため種子はできない。

 りん茎でふえる。りん茎には有毒物質が含まれているが、水にさらすと毒分が流れ出るので食用のでんぶんが得られる。葉は花茎とは別に晩秋に出る。深緑色で翌年4月頃枯れる。葉質は厚く、線形でそう生し光沢がある。葉と花を同時にはつけないところから幽霊花、地獄花、死人花などとよばれることもある。このほかマンジュシヤゲ(赤花を表す梵語「慶珠沙華」から)火事花(燃えるような赤さから)、手くさり(茎を折ると手に異臭が残ることから)など多くの呼び名をもっている。

(有野・1/4)

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