神戸の自然シリーズ20 神戸の淡水魚 原著
  前ページへ 目次へ 次ページへ
14.ドンコ (ハゼ科)

 どこから見ても奇怪な姿をしていて、お世辞にも美しいとはいえない。姿からのイメージとぴったりのどう猛な魚である。

 しかし、好かれる顔はしていないが、ユーモラスな面をもっており、不思議と人気のある魚である。

 川の上流から下流にかけてすみ、小石や砂の多い所を好む。湖や池にも生息する。全長20cm前後である。

 ぶだんは水底でじっとしていて、動作もゆっくりであるがエサを食べる時や逃げる時はとてもすばやい。小魚が近づいたら一瞬に大きな口でとらえる。

 なわばり争いの時、侵入してきたドンコを追いはらおうと威かく動作をくり返す。はげしくなると頭つきをくらわせたり、口と口でがっぶりとかみあったまま勝負をつける時もある。

 食用にされ、甘がらく煮るとその姿に似合わずおいしい。

 栃木・新潟両県以西の本州、四国、九州に分布する。

 神戸では、明石川をはじめ、淡河川、志染川など市内の各河川に生息している。

 かなりの上流にもすみ、北区の山あいの谷川にもすんでいる。

 しかしヨシノボリほどの広い分布はしていない。体が大きくて、産卵に適するような場所が少ないからだろうか。

 ドンコをつかまえて容器に入れてもって帰る途中でも、いっしょに入れていた小魚をくわえていることがよくある。捕えられた身で、どうされるかもわからないのに、自分の立場を忘れて我が世の春とごちそうをほおばる姿には敬意を表したいぐらいである。

(次ページに続く)

Odontobutis obscura obscura (TEMMINCK et SCHLEGEL
前ページへ 目次へ 次ページへ