神戸の自然シリーズ20 神戸の淡水魚 原著
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(ドンコの続き)
■ドンコの産卵

 ドンコの産卵期は4〜7月で他のハゼ科の多くの魚と同様に石の下面に産卵する。

  1. 水槽内では、植木鉢を半分に切るか、土管を入れて産卵床をこしらえてやる。
     ドンコの体が雄・雌ともスッポリ入る大きさのものを用意する。
     
  2. 雄は植木鉢の回りになわばりをはり、ひれや口で植木鉢の下の面を消そうとする。
     
  3. しばらくして成熟した雌を迎え入れ、天井に産卵させる。
     その後雄が精子をかけていく。卵は鉢の裏側に一面に産みつけている。卵はぼうすい形で大きく長径5mmに達する。
     
  4. 雄はその卵をふ化するまで保護する。ドンコの親の顔からは想像できないほど愛情は細やかで卵の一つ一つをひれや口でなでたり、水流を送ったりしている。
     かびがはえて全体が白くなった場合は口先で取り除く。
     
  5. やがて、卵に目があらわれ、1か月近くたってからふ化するが雄はかなり疲れている。
     
  6. ふ化した仔魚は、すぐに底生生活をする。当然のことだが、おもしろいことに生まれた子どもは親そっくりである。底をたくさん はっているのがわかる。
     
  7. ふ化した仔魚も丈夫で、底生生活をはじめて一週間をすぎると、自分より長いイトミミズを口にくわえてふり回されている。イトミ ミズがあばれてもけっして離さない所はえらいものだ。
     
  8. その後、仔魚同士の共食いもあるがかなりの数が成長していく。
     
 ドンコの親は、時々鳴き声を出す。
 鳴き声は2種類あってグーッと長くのばすのとグーッグーッグーッグーッと短くきって鳴く時がある。

 どういう信号か分からないが地の底からきこえてくるような低い声である。

 卵を保護している夜間、毎日のようにその声がきこえてくる。「子守り歌」と呼ぶには、ロマンチックすぎるだろうか。

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