神戸の自然シリーズ20 神戸の淡水魚 原著
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3.よどみ(澱み)を好む魚

17.ヒガイ
(コイ科)

 ヒガイを漢字にあてはめると「鰉」と書く。これは明治天皇がことのほかこの魚をお気に召され、しばしば献上されたところから、この漢字が生まれたとのことである。

 川の中・下流の、岩礁やれき底に好んですむ。全長10〜20cmで、口ひげはないが、あってもごく短いものがはえている程度である。

 産卵期は4〜7月で、雄は美しい婚姻色を示す。

 タナゴのように淡水二枚貝に産卵する。雌は短い産卵管を、ドブガイやイシガイなどの吸水管へさしこんで大型の卵を産みつける。

 しかし、二枚貝がないときは小石の下などに産卵する場合もある。芦屋の奥池では二枚貝がいないのに繁殖しているよい例である。食性はおもに底生小動物である。

 食用にされ、美味だが骨がかたい。白焼きにして熱いまま酢につけて食べるとよい。

 西日本に多く、放流によって分布域を広めつつある。瀬戸内の太平洋側に多い。

 神戸市内では北区の武庫川の中流にすむ。

 ここにはオオクチバスも多数すんでおり、その脅威にさらされているのはヒガイも例外ではない。

 水槽で飼育すると、その美しい姿を楽しませてくれるが、ガラス面に付着した藻類を口でコツコツと音をたてて食べているのがわかる。


Sarcocheilichthys variegatus
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