神戸の自然シリーズ21 六甲山はどうしてできたか
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六甲花こう岩は7千万年前にできた

 須磨アルプスをはじめ六甲山地の大部分をつくっているのが六甲花こう岩である。須磨アルプスを越えた所で、黒雲母、斜長石、かリ長石、石英のよく見分けられる六甲花こう岩が出ている。

 花こう岩は、一般に地下数千メートルの深い所で花こう岩マグマがゆっくり冷えてできた探成岩である。それではいつごろマグマから花こう岩になったのか。須磨区高倉台で採集した六甲花こう岩中の黒雲母を試料に、カリウム・アルゴン法で放射年代を測定したところ、

  72.9±3.6Ma (Maは百万年前)
  71.6±3.6Ma

の結果が出ている。上の測定値は7,290万年プラス・マイナス360万年前と読み、約7千万年前にこの花こう岩ができたことをあらわす。ほぼ7千万年前中生代白亜紀未)にアジア大陸の東のへりに貫入してきた花こう岩のグループの一員である。


 花こう岩が地層のように平行した割れ目(節理)をみせている。これも圧力のせいである(鉢伏山)

 破砕された弱い部分に水が入ってできた小さい断層破砕帯(高取山)



細かくぽろぽろに風化している状態で、これが真砂土(まさど)になる(高取山)

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