神戸の自然シリーズ21 六甲山はどうしてできたか
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石垣に使われている布引花こう閃緑岩



黒い色調の布引花こう閃緑岩


 神戸電鉄「ひよどりごえ駅」から川に沿って烏原水源池へ向う小道が六甲縦走コースになっており、その道の石垣に使われている石が布引花こう閃緑岩である。

 布引花こう閃緑岩をつくっているのは、灰色の石英、灰白色の斜長石、うすい桃色のカリ長石、黒っぽい黒雲母、緑黒色の角閃石(かくせんせき)などが主な鉱物である。六甲花こう岩に比べて桃色のカリ長石が少なく、黒雲母角閃石が多いので、全体として落ちついた色調を示している。写真のボールペンのキャップの右横の短冊型の黒い鉱物が角閃石である。

 この花こう岩は新神戸駅から布引水源池の間や烏原水源池、世継山、碇山など六甲山地の南のへりに分布している。再度山などで六甲花こう岩に貫かれているので六甲花こう岩より古いが、白亜紀中 ― 後期にできたものと思われる。布引花こう閃緑岩には下の写真のように黒い鉱物が塊状に集まっている部分や古い岩片の捕獲岩を伴うのが特徴である。


花こう岩のマグマがとり込んだ捕獲岩や黒い鉱物が濃集した部分


この石垣の石が黒っぽいミカゲ石


しゃれた水道局の建物

空から見た烏原水源地

烏原川の河床に布引花こう閃緑岩が出ている。 山中に忽然とあらわれる神戸市下水道局の施設。
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