神戸の自然シリーズ17 神戸の地層を読む2
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5.扇形に広がる台地

図30 明美丘陵は扇状に広がる平坦な台地で日本で一番ため池の多い地域である
(国土地理院5万分の1地形図「神戸」「高砂」を縮小)
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の5万分
の1地形図及び 2万5千分の1地形図を複製したものである
(承認番号 平14総複,第389号)


 開発の進む西神ニュータウンの丘陵をこえて西にいくと明石川の流れる平野の谷があります。この谷から道路は約60mの高さをいっきょにかけあがる坂道になり、その上に広がるのが明美(めいみ)丘陵とよばれる平坦な台地です。

 明石川と美嚢川(みのかわ)にはさまれた丘陵ということで「明美」と名づけられています。丘陵というよりむしろ台地とよぶのがふさわしいほとんど起伏のない平坦な土地が広がっています。

 この台地は東は三木市緑が丘ふきんから西区神出町・岩岡町、南は明石市大久保町、西は加古川市まで続いています。地形図で見ると西区の雄岡山(おっこうさん)のふきんをかなめとして、南西に広がる扇のような形をしていることがわかります。

 かなめのところでは標高は130mほどで扇の先端にいくほど低くなって30mの高さまで下がっていきます。

 この台地をつくつている地層はどんな地層なのでしょうか。

 この台地の東はしにあたる岩岡町印路(いんじ)に赤坂粘土層と名づけられた海成の地層があることが以前から知られていました。また、台地の西はしには、日岡海成層という地層もあります。

 これらの海でできた地層は、台地の表面のすぐ下にあり海がかつてここまで進入してきて地層ができたことを示しています。しかもその後、ほとんど地層がたまってないので海退とともに離水し、その地層の表面(海底面)が台地の平坦な地形として残されたと考えられます。

赤坂粘土層(西区岩岡町印路)
明美丘陵(台地)の半ばまで海がおおったことがある

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