神戸の自然シリーズ17 神戸の地層を読む2
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4.レキ・砂・粘土のくりかえし











明石累層はレキ・砂・粘土がくりかえしたまっている。(西区竹の台)
レキ層が下位の粘土層をけずりこんでいる


 私たちが観察した明石累層の地層は多くの場所で粘土層、砂層、レキ層がくりかえし重なっている地層でした。よくみるとまずレキ層があり、それは下の粘土層をけずりこむようにしてたまっています。つぎには砂層、つづいて粘土層が重なります。そしてその粘土層をけずるレキ層、砂層、粘土層がのるというようにあらい堆積物からだんだん細かい堆積物にかわっていく地層の組合せがあるのです。このレキ・砂・粘土の組合せを1つのセットとして、少なくとも6つのセットからなるのが明石累層だといえます。

 レキは河原のような陸上でたまったと考えられますから、河原−湖岸−湖底という変化を何回もくりかえしながらこれらの地層はできたことになります。あるいは、レキを運んでくるほどに川の運搬力が大きくなる時期があり、その後しばらく安定した湖底の時期が続くというくりかえしがあったとも考えられます。

 ところで、明石累層は東に追っていくといつの間にか、粘土層や砂層はなくなりレキだけからなる地層にかわってしまいます。これは学園都市の地下鉄工事のときにもみられたことですが、同じようなことが垂水や木見(こうみ)、押部谷(おしべだに)のあたりでもみられます。

 この厚いレキ層は垂水礫層(れきそう)となづけられています。この垂水礫層がどのように広がっているかを調べてみることにしました。その結果、北区の志染川につくられた呑吐(どんと)ダムのあたりから南西にひろがる扇形の範囲のにレキ層があり、南西にいくと粘土−砂−レキからなる地層にうつりかわるということがわかりました。

 レキ層の厚さは50mから100mにもおよぶ厚いものとみつもられます。

明石累層は北部と東部ではあついレキ層からなる

こぶし大のチャートと流紋岩のレキが集まっている

図38 明石累層、柱状図作成地点 
 (国土地理院5万分の1地形図「須磨」「明石」「高砂」)
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の5万分
の1地形図及び 2万5千分の1地形図を複製したものである
(承認番号 平14総複,第389号)

図39 明石累層柱状対比図 

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