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図45 高塚山フレクチャー断層のスケッチ
高塚山断層は、フレクチャー(地層のおれまがり)に伴なって生じた断層である
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『神戸の地層を読む1』の表紙をかざったのは、現在の神戸市立外国語大学の北にすがたをあらわした高塚山断層の写真でした。
高塚山断層は、垂水区から北区にかけての地域で神戸層群と大阪層群の地層の分布を境する断層です。南北にのぴるこの断層を境にして、基本的には東がわには神戸層群があり、西がわには大阪層群があるといえます。正確にいえばこの断層の東がわでは大阪層群の地層はけずりとられてほとんど残っておらず、西がわでは神戸層群は地下にもぐっていて見えないといえます。
総合運動公園と学園都市の造成工事にともなって数カ所で高塚山断層の露頭が出てきましたが、いまではすべてがけずりとられて見ることができなくなりました。
上の写真とスケッチは高塚山断層をよこぎる東西方向の地下鉄の路線ぞいでみられた地層の断面です。
断層をはさんで数100mの範囲では、神戸層群もその上に重なる大阪層群も地層が西に大きく傾いています。大きくみればここを境に東がわは上昇しており、西は落ちこんでいることがわかります。
神戸層群の下には花こう岩が基盤としてひろがっています。その花こう岩内で発生した東あがりの断層があり、それにともなって地層がS字に変形したと考えられます。このような地層の変形をフレクチャー(撓曲(とうきょく)) とよんでいます。
このフレクチャー構造にともなって副次的に西がわの地層が東がわの地層に向かってつきあげた逆断層が高塚山断層です。
基盤の花こう岩に発生した東あがりの断層も、高塚山断層もその変位の幅は100m前後とみつもられます。
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