神戸の自然シリーズ17 神戸の地層を読む2
  前ページへ 目次へ 次ページへ

5.六甲の上昇によって西に移動した海

図51 六甲を越えられなかった海から西に移動した海まで


 高塚山海進による海域は垂水区をすっぽりとおおうものでしたが、現在の明石川より西にひろがりませんでした。つぎの海進は明美丘陵の赤坂粘土層や日岡海成層をためた岩岡の海です。この海域は高塚山の海域の西がわの地域です。

 高塚山の海が退いて岩岡の海が進入するまでに、東がわの地域は隆起して高くなっていたからだと考えられます。

 播磨平野の段丘面はどの時代の面も東にいくにしたがって高くなっています。六甲山地の上昇の影響をうけて、ひきずられるようにして東がわほど高く持ちあげられたものだと考えられます。

 高塚山の海におおわれた地域もこのような地盤の運動によってもちあげられ、つぎの海進の海はさらに西へ移動したのではないかと考えられるのです。

前ページへ 目次へ 次ページへ