新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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11.グンバイトンボ Platycnemis foliacea sasakii
写真2-16.グンバイトンボ.北区道場町.1991.6.18. タンデム


分布:このトンボは清流にすむトンボとして有名で,近畿地方全体をみた場合,北摂から播磨にかけての河川を中心に分布しており,他の地域ではあまり記録がありません.神戸では,現在,道場町および淡河町でのみそのすがたをみることができます.記録には,北区道場町・日下部,淡河町,西区押部谷町,垂水区舞子墓園,そして古くは須磨というのがありますが場所は不明です.

 押部谷町の方は明石川だと思われますが,これを1969年に記録した松本健嗣氏はもはや旧年の面影はないと書いていますので,すでに消滅している可能性が高いと思われます.ただし筆者はこのトンボの出現時期にこの付近を十分に調査していませんので現状は未確認です.また舞子墓園の記録は1971年岡泉州氏によるものですが,発生地は定かではありません.

生態:ヨシなどの植物が茂っていて,その根ぎわに泥がたまっているような水のきれいな流れに生息しています.道場町では6月はじめころから羽化がはじまり6月中旬には流れのほとりで産卵活動が観察できます.このときオスはメスの前胸をつかんで直立し,付近を飛びまわる別のオスの接近に,翅をふるわせてこれを追いはらおうとします.幼虫はヨシなどの流れの岸に生えている植物の根ぎわの泥の中にもぐっています.幼虫で冬を越しているようで,小さな幼虫が真冬にみつかります.連結植物組織内産卵をおこないます.

形態:腹長30〜33mm.オスは中あしと後あしの脛節が広がっていて白くめだち,すぐに本種とわかります.メスはモノサシトンボとよくにています(写真2-18).

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