 |
 |
 |
| 56.エゾトンボ Somatochlora viridiaenea |
 |
| 写真2-71.エゾトンボ.北区山田町.1989.7.30.オスの縄張り飛翔.(近藤祥子氏撮影). |
|
分布:北区に点在する湿原や,西区の湿地化した休耕田にみられますが,1994年の干ばつ以来,西区ではすがたをみることができなくなってしまったように感じます.松本健嗣氏はかつて市街地でもよく旋回していたと述べていて,数が多かったことをうかがわせます.近畿地方全体をみても,神戸市から北摂にかけて記録が集中しています.記録は北区道場町,有馬町,有野町,淡河町,山田町,西区押部谷町,玉津町,櫨谷町,伊川谷町,垂水区舞子墓園,長田区鹿松町,灘区摩耶山町,六甲山町,東灘区本山町などです.
生態:市内では6月中旬ころに羽化が始まるものと思われます.岩崎正道氏の道場町での観察によると,その後約1ヶ月間林間の空間で摂食して過ごし,成熟したら湿原にもどるということです.筆者も7月19日に丹上山系の湿原でオスが縄張り飛翔しているのをみています.その後9月下旬まで各地でみられます.黄昏時に活発な摂食飛翔もします.メスは単独で,湿地状になった浅い水面(または泥面)に打水(打泥)産卵します.伊川谷町布施畑では畦の横の溝に産卵しているメスを採集したことがあります.幼虫は湿地の草の根際の泥の中などにもぐっていますが,みつけるのは大変です.
形態:腹長36〜50mm.エゾトンボ属3種はみわけが困難ですが,オスは尾部付属器の形で,メスは生殖弁の形や,腹部第4〜7(または8)節側面に黄色の小斑点があることで同属他種と区別できます(写真2-73).なお羽化直後は胸の横には黄色条が2本あるので注意してください.オスでは成熟するにつれこれが消えていきます.
|
|