新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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69.アキアカネ Sympetrum frequens
写真2-85.アキアカネ.中央区港島中町.1994.10.9. 公園の池で産卵中息絶えたカップル.


分布:市街地もふくめて,神戸全域でみることができるアカトンボです.記録は,北区道場町,有野町,山田町,山の街,西区平野町,押部谷町,玉津町,櫨谷町,伊川谷町,垂水区平磯,名谷町,須磨区菅ノ台,多井畑,友が丘,中央区葺合町,港島中町,灘区摩耶山町,六甲山町,曽和町,東灘区岡本,本山町,向洋町などが手元にあります.

生態:市内では,羽化は6月に始まりますが,いつ終わっているのかはっきっりしたことはわかりません.よく知られているように,羽化した個体はいったん六甲山などの標高の高いところに移動します.盛夏のころ六甲山系のハイキング道を歩くと,そこかしこに止まっている本種の未熟成虫をみることができます.秋になると平地へ降りてきて,稲刈りを終えた水田で連結打水(打泥)産卵をします.稲刈りがすんでいない水田では稲の穂の中に深くもぐり込んだタンデムのペアをみたことがあります.また,学校のプールや,公園の池などでも繁殖していることがあります.卵で越冬し翌年の春にふ化するものと思われます.水田ではこれがちょうど水が引かれる時期に一致し,梅雨の,水田に水が切れない時期に一気に幼虫期間を終えて,夏がくる前に羽化してしまいます.この生活史のリズムが水田耕作のリズムとみごとに一致し,大繁栄をおさめたものと思われます.

形態:腹長21〜29mm.アカトンボはみなよく似ていますが,本種は胸の側面の黒条を標本写真でくらべれば,ほぼ区別可能と思われます.

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