新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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81.マダラナニワトンボ Sympetrum maculatum
写真2-96.マダラナニワトンボ.兵庫県小野市.1990.10.9. 連結打空産卵


分布:1960年代後半には櫨谷町一帯での記録がありますが,筆者の1990年の採集記録を最後に,現在のところ神戸市内での報告はありません.記録は西区押部谷町,櫨谷町,伊川谷町などがあり,その他に裏六甲で記録されています.松本健嗣氏は1982年に著した「神戸市周辺の蜻蛉目」で,「新幹線のすぐ北にある福寿池には,樹林もなく家も建て込んでいるが『今も』まだいる.」と記しています.また1987年には北川弘美氏によって櫨谷町谷口の南谷大池で写真が撮影されていますから,1980年代前半まではまだあちこちにいたように思われます.しかし現在は,兵庫県下全体でも確実な生息場所は一カ所であって,そこでも1994年の干ばつ以来いちじるしく個体数が減少しており,県下からすがたを消すのはベッコウトンボより早くなってしまう可能性すらあります.

生態:小野市での観察によると,6月下旬に終齢幼虫がたくさんとれ,それらは7月中旬には羽化し始めて,8月になると近くの松林の中に止まっているすがたが観察できます.9月下旬ころ池のほとりに出現し,遠浅のため池の,岸辺に生えている草の間で連結打空産卵をおこなうようになります.産卵動作ははナツアカネによくにています.11月に入るまでそのすがたをみることができます.

形態:腹長21〜24mm.アカトンボでありながら赤くならないものの一つです.ナニワトンボのメスとは胸の側面の黒のもようのちがいで区別できます.

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