神戸の自然シリーズ8 神戸の蝶
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 7.クロアゲハ /アゲハチョウ科


 オナガアゲハにやや近いが翅型に違いがあり区別を誤るほどではない。雄は黒色が濃く後翅表面前縁が白色、雌は黒色味がやや淡く大型、赤色斑の発達がよい。春型は小型で雄雌とも夏型より赤色斑が発達する。

 平地から山地にわたって発生するが、高い山には少ない。低い山、丘陵地などの森に多い。低地では黒色大型アゲハの中で最も数が多いが、六甲山上ではオナガアゲハカラスアゲハの方が数が多くなる。アゲハのように明るい場所に出ることは少なく、林の中や林の周辺に生活し、蝶道も明瞭な方である。

 春はツツジの花によく来る。夏はクサギヤブカラシ、ユリ類などによく来るが、特にクサギの花を好む。

 年に3〜4回の発生とみられ、第1化は4月中旬より出現しはじめ、5月に多い。6月後半にはすでに第2化の夏型の発生を見るが、10月中頃まで新鮮個体の発生が続く。蛹越冬。遅い場合は12月中旬に中令幼虫を見ることがあるが越冬できるかどうか不明である。

 数の多い蝶であり、飼育もしやすく、アゲハと共に実験材料としても好適である。

 神戸産には尾状突起のない無尾型はふつう現れないが、尾のかなり短い変異をもった個体がときどき現れる。なお台湾産は通常無尾型になる。無尾、有尾はメンデルの法則に従う遺伝形質の1つで有尾は無尾に対して優性であるという。


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