神戸の自然シリーズ12 神戸の地層を読む1
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2.神戸層群と大阪層群


 この砂れき層がどのようにして傾いたかを考えるためには、この砂れき層と、その基盤である神戸層群と呼ばれる地層との関係から説明しなければなりません。

 地下鉄の名谷駅を中心にした須磨ニュータウンというのは、最近急速に開かれた新興住宅街ですが、このあたりには、植物の化石をたくさん含んだ地層が広がっています。この地層は、火山灰がふり積ってできた凝灰岩(ぎょうかいがん)を中心としてできており、今から千数百万年前(新生代第三紀中新世)の湖の底にたまった地層で神戸層群と呼ばれています。



 この神戸層群の上にたまったのが、先ほどの砂れき層です。そのようすは、須磨ニュータウンからユニバーシアードの会場である西神総合運動公園側をのぞむとよくわかります。凝灰岩の地層を主体とする神戸層群の地層は、白い岩肌を見せ、その上に茶褐色の砂れき層が重なって山頂部を占めているようすは、かなり遠方からでもはっきり見わけることができます。

 神戸層群は、今から千数百万年前のものであり、いっぼう砂れき層は、せいぜい古くても今から百万年ほど前のものですから、この色あいの違う二つの地層の間には、一千万年以上の時間の空白があることになります。西神総合運動公園のあたりでは、二つの地層は、どららも水平な地層ですが、明らかに不整合の関係であると言えます。

 この二つの地層の重なりを、西の方へ追いかけていくと総合運動公園から学園都市にぬける峠のあたりで地層が傾いてくるのがわかります。水平であった地層がある地点で折り曲げられて西の方へ20度から30度ほど傾いているのです。

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