神戸の自然シリーズ17 神戸の地層を読む2
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3.隆起する山地と沈降する盆地

図47 神戸市の断層(藤田・笠間1976より抜すい) 


 六甲山地は第四紀にはいってから隆起をはじめ、特に最近の数10万年間に急激に高くなってきた山地であると考えられています。一方、大阪湾や大阪平野、播磨平野などは沈降していった地域です。高まる側の山地と沈んでいく盆地の間で地盤が割れたところが断層です。高塚山断層をはじめ、神戸の市街地と六甲山地をくぎる芦屋(あしや)断層や諏訪山(すわやま)断層、須磨(すま)断層、六甲山地の北にのびる六甲断層などはそうした山地と盆地の対立をもたらした変動の傷あとともいえるものです。

 近畿地方全体の地形をみると生駒山地や比良山地など南北につらなる山地の列と、その間に奈良盆地や大阪平野などの盆地が何回もくりかえして配列していることがわかります。

図48 近畿地方は、南北にのぴる山地と盆地がくりかえしている

 このような配列をもたらしたのは、近畿地方全体をしめつける東西方向の大きな圧縮力であると考えられています。

 六甲山地はそのようにしてできた山地の一つで、このような第四紀になってからの山地の隆起と盆地の沈降という大変動は、この六甲山地の名前をつけて「六甲変動」とよばれています。

 山地は高まるために川によって浸食され、地表の岩石や古い地層はけずりとられていきます。山地から運ばれた土砂をうけとめるのが沈んでいく盆地です。大阪層群は高まる山地の破片が、200万年間にわたってたまり続けたものだといえます・

 同じ大阪層群とはいっても、大阪平野にたまった地層と播磨平野にたまった地層では多少ようすが違っています。その一つは大阪平野では大阪層群は厚いところでは、1000mにもおよぶ地層であるのに対して、播磨平野ではせいぜい百数十mにすぎないことです。播磨平野の大阪層群の分布している地域のあちこちに基盤岩とよばれる流紋岩や花こう岩が顔をだしているのは、この地域の大阪層群があまり厚くないためです。播磨平野は大阪平野にくらべて沈降がいちじるしくなかったと考えられるわけです。

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