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4-8．幼虫の種別チェックポイント
イトトンボ科・モノサシトンボ科・アオイトトンボ科・カワトンボ科 |
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＜イトトンボ科＞
属レベルの同定は容易だが種の決定は困難をともなう．
(ヒヌマイトトンボ)：16mm前後．
河口付近のヨシ原のヨシの沈積物の中．尾さいがいちじるしく細く中ほどより先に黒かっ色の大きな斑点が続く．
 1．モートンイトトンボ：15mm前後．
湿地の水たまり･湿田など．尾さいは細い柳葉状．頭部の後角部に突起がある(右図)．
2．ホソミイトトンボ：16mm．
植生豊かな池沼．アオモンイトトンボ，アジアイトトンボと区別困難．尾さいにかっ色斑がなく側稜にもかっ色斑がない．
3．キイトトンボ：20mm前後．
4．ベニイトトンボ：19mm前後．
いずれも植生豊かな池沼．この2種は区別困難．尾さいが太く全体的に丸くみえ，その長さが幅の3倍以上．ただし羽化近い幼虫で，体が緑色をし，背中が赤く色づいているものはベニイトトンボである．
5．アオモンイトトンボ：19mm前後．
6．アジアイトトンボ：19mm前後．
植生豊かな池沼．これら2種にホソミイトトンボを加えた3種は区別困難．尾さいにかっ色斑がなく側稜にもかっ色斑はない．アジアイトトンボの尾さいは，アオモンイトトンボにくらべて細身で先端の角度が鋭いものが多いが，決め手にはならない．
 7．クロイトトンボ：21mm前後．
8．ムスジイトトンボ：21mm前後．
9．オオイトトンボ：21mm前後．
10．セスジイトトンボ：21mm前後．
植生豊かな池沼．これら4種は区別困難．クロイトトンボは常に尾さいの中央部より先にはっきりとした3個のかっ色斑があるが，他3種では不鮮明な場合が多々ある．4種とも第1〜9節の各側稜にかっ色斑(右図)があって，各肢の環状斑紋も明りょうでいずれもよく目だつ．
＜モノサシトンボ科＞
11．グンバイトンボ：16mm前後．
ヨシなどの水辺の植物が豊かな河川・溝川など．第7〜9節に側棘がある．体に比して肢が長い．つかまえると尾さいを体の側面にあてがうように腹部をＵ字型に曲げ硬直することが多い．
12．モノサシトンボ：27mm前後．
植生豊かな池沼，時に川のよどんだ部分．第8〜9節に側棘がある．グンバイトンボと同じように硬直する．明らかに本種のほうが大型．
＜アオイトトンボ科＞
 13．アオイトトンボ：29mm前後．
14．オオアオイトトンボ：30mm前後．
植生豊かな池沼．この2種は区別が困難．下唇は柄部がいちじるしく細く長い．側稜にかっ色斑はない．下唇側片の先端の歯の切れ込みの形のちがいで区別可能であるという．神戸においては，終齢幼虫は，アオイトトンボが5〜6月，オオアオイトトンボが6〜7月を中心に出現する．
15．コバネアオイトトンボ：26mm前後．
クログワイやカンガレイなどの生える植生豊かな池沼．アオイトトンボやオオアオイトトンボより下唇が短く，尾さいの先端も丸みが強い．第1〜9節の側稜にかっ色の斑紋がある．尾さいの中軸に沿って明りょうなかっ色条がはしる．
16．オツネントンボ：27mm前後．
 植生豊かな池沼．上記アオイトトンボ属3種のいずれよりも明らかに下唇が短い．尾さいの先端部は丸い．ホソミオツネントンボより大型であるが，下唇側片の先端の歯の切れ込みの形がちがう(右図)．
17．ホソミオツネントンボ：21mm前後．
植生豊かな池沼，水田など．成虫の大きさの割には幼虫は小さい．体型はオツネントンボに似るが小型．下唇側片の先端の歯の切れ込みの形がちがう(上図)．
＜カワトンボ科＞
18．アオハダトンボ：40mm前後．
19．ハグロトンボ：40mm前後．
植生が豊かな河川･溝川などの藻や岸辺から水中へたれ下がる植物の中．この2種はほとんど区別できない．ミヤマカワトンボとくらべると，体の大きさが小さく，触角の第1節が頭の幅とほぼ同じで明らかに短い．
20．ミヤマカワトンボ：65mm前後．
植生が豊かな河川で流れがゆるやかな部分に沈積した落ち葉のすき間など．触角の第1節が頭の幅よりいちじるしく長い．下唇中片にだ円形の大きな欠刻がある．
21．ニシカワトンボ：27mm前後．
 河川･溝川などの藻や岸辺から水中へたれ下がる植物の中．オオカワトンボとくらべて尾さいの先端の角が丸みをおびていることで判別できる場合が多い(右図)．
22．オオカワトンボ：31mm前後．
植生が豊かな河川の藻の中やヨシの根ぎわの泥中．尾さいの先端の角が角ばっていることで判別できる場合が多いが，再生された尾さいの場合は丸かったりして，変異がある．
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