新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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1-1-3.西区を中心とした播磨の丘陵・平野地帯

 西区を中心とした田園地帯は,雑木林とため池,それに最近増えてきた休耕田,さらに明石川水系の中流域などがその特徴です.ナツアカネアキアカネリスアカネコノシメトンボマユタテアカネナニワトンボなどのアカトンボがふつうにみられ,放置されて水生植物がたくさん茂ったため池では,キトンボネキトンボマイコアカネなどがみられます.湿地状になった休耕田では,それを好むヒメアカネがいます.

写真1-5.櫨谷町にあるため池. 写真1-6.櫨谷町にあるため池.

 ヤンマ類も西区の田園地帯には多くみられます.盛夏の夕方谷筋に入っていくと,ヤブヤンマギンヤンママルタンヤンマカトリヤンマをはじめ,ネアカヨシヤンマも飛ぶことがあります.ヨシのおいしげったため池にはアオヤンマがいます.クロスジギンヤンマは春に雑木林に囲まれたため池をパトロールしています.

 いわゆるイトトンボ類も豊富です.西区,垂水区にはアオモンイトトンボキイトトンボホソミイトトンボアジアイトトンボセスジイトトンボが多く生活しています.アオイトトンボホソミオツネントンボもふつうで,ベニイトトンボムスジイトトンボコバネアオイトトンボオツネントンボも限られたため池で見いだされます.

 その他,フタスジサナエオグマサナエウチワヤンマなどの止水性サナエトンボも多く,最近タイワンウチワヤンマがそのなかまに加わりました.エゾトンボは湿地と化した休耕田の上を飛んでいますし,さらにベッコウトンボというレッドデータブックに絶滅危惧種としてのっている種すらいました.そして多くのため池では,トラフトンボヨツボシトンボコフキトンボオオヤマトンボコシアキトンボチョウトンボ,周辺ではハッチョウトンボハネビロエゾトンボなどがみつかります.明石川水系では,数が少ないものの,キイロサナエホンサナエなどのほか,ハグロトンボが多数みられます.

 種類数の多さからいえば,西区から垂水区にかけて広がる田園地帯は,神戸におけるトンボの宝庫といえます.

写真1-7.明石川の風景.押部谷町. 写真1-8.淡河川の風景.淡河町.

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